
現在進行形や過去進行形、未来進行形など「進行形」の文法を勉強すると必ず
状態を表す動詞は進行形の文法では使えない
と習うと思います。

でもこれはあくまで教科書的な解説で、実際の生きた英語では状態動詞を進行形にして使うこともあるんだよ!

マジでか。
まあでも、そういった例外の動詞は少ないので、気楽に構えましょう!
例外の状態動詞たち
例外の状態動詞には思いつく限りでは以下のものがあります。
基本的にこれらの動詞は進行形では使えないというのが正しいのですが、ネイティブがわざわざ進行形にして使う場面があります。
進行形ならではの微妙なニュアンスの違いがあるからです。

これらのニュアンスを僕なりに説明していきますね。
think には状態動詞の意味と動作動詞の意味があって、進行形にできる方は動作動詞の think なんでこの例外には当てはまらないっちゃ当てはまれないんですが、ややこしい動詞なので一応解説します。
期間の限定・強調的な意味になる場合
進行形を使うことによって、その状態である期間を強調しているようなニュアンスになります。
マクドナルドのCMでお馴染みの
I'm loving it!
というフレーズを聞いたことはありませんか?
マクドナルドの it が何を示しているのかはぶっちゃけ謎ですが、別に I love it でも良さそうなところをわざわざ進行形にすると期間を強調したり限定するような効果があります。
例えばこの例文
I'm visiting Hokkaido for the first time to see my old friend.
I'm loving it. (it= every minute of it)
「古い友人を訪ねに初めて北海道に来ています。このすべての瞬間が大好き!(とても楽しい時を過ごしてる)」
と、こんな風に何らかの状態(love)になっている期間を強調しています。
なのでマクドナルドの I'm loving it! も、美味しいハンバーガを食べて、「美味しい~!マックしてるこの瞬間たちが大好き!」みたいな感じなのでしょうか。

何となくインパクトもあるね
だからといって、ハンバーガーを食べて "I love it!" と言うのが間違っていると言う訳ではありません。
あくまでも、進行形の方はその瞬間に焦点を置いているニュアンスが強くなるというだけです。
そういえば、ナルニア王国という映画の曲の歌詞に、
And I’ll be remembering you
というフレーズがあるのですが、この場合も「その時にあなたを思い出しているでしょう」といった期間限定的なニュアンスになります。
少しずつその状態になってきている場合
例えば、
I'm liking this hamburger.
という言い方があります。
"I like this hamburger. "は「私はこのハンバーガーが(常に)好きです」という意味ですが、liking と表現することによって
「最初は別に好きではなかったけど徐々に好きになってきている」
というニュアンスになります。
もう一つ例をあげると、例えばあなたが聴いたことがないバンドのアルバムを人から借りて、1曲目を聞いたらなかなか良い曲なので、
I'm liking this band.
「あー、このバンド好きかもしんない。」
まだ1曲しか聴いてないから100%確実じゃないけど今のところ好きになってきてる、そんな限定的なニュアンスになります。

他にも例文をあげておきます。
I'm realising the fact. 「徐々に事実に気が付いてきた」
I'm understanding your feeling. 「だんだんあなたの気持ちが分かってきた」
I'm fitting in this class. 「このクラスになじんできたと思う」
think は進行形が使える場合と使えない場合がある
動詞 think は状態動詞としても動作動詞としても使うことができる言葉です。
think を
「信じる」(believe)
「意見を持つ」( have an opinion)
といった状態動詞での意味で使う場合、現在進行形は使えません。
I think Takeshi is gay. 「タケシはゲイだと思う」 (believe)
What do you think of my plan? 「私の考えについてどう思う?」(have an opinion)
これら think は状態動詞的な意味になるで、現在進行形の形はとりません。
しかし、 think を「考える」という意味で使う場合は動作動詞になるので現在進行形が使えます。
I'm thinking about Takeshi.
「タケシのことを考えているの。」(考えるという動作)
このように同じ動詞でも、どういう意味で使うかによって使える文法が変わってしまう場合もあるのです。

英文法は奥が深いね。
今回は特に教科書とかでは殆ど触れられていない進行形の文法についてまとめてみました。
厚い文法の教科書を1冊終わらせても、実際の英語に触れた時に「あれ?教科書とちがうし!」みたいな場面に出くわすことは日常茶飯事です。

こういったイレギュラーな例ってネイティブにとっても説明するのがすごく難しいのだけれど、僕なりにまとめてみました。